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米国企業で高配当株投資をしようとした際に必ず出てくる「VYM」「HDV」「SPYD」の高配当株3ファンド。
いずれも手数料が安く優良商品であることは間違いありませんが、連続増配株を集めた「VIG」というファンドを耳にされ、このページに辿り着いたのではないでしょうか?
- なんか良さげだけど投資するべきかな?
- 他の商品と比べてどうなのかな?
- 中身について詳しく知りたいな
こういった様々な疑問が湧いていることでしょう。
そこ本記事では
- 投資歴10年以上(失敗経験もあり)
- AFP・簿記資格を保有中
- 現在の含み益は4桁万円超え
- 年間予想配当金は100万円超え
のわたし「こるきち」が「VIG」についてわかりやすく解説いたします。
この記事を読めば、以下が理解できます。
- VIGの特徴やメリット・デメリット
- VTIやVYMに比べるとどうなのか
- VIGに投資するべきか否か
「VIG」の使い方もイメージできるようになるよ♪
ぜひ最後までお付き合いください。
この記事の結論
- 「VIG」は経費率も安価な優良ファンド
- 10年後に高配当を得たいのであれば有力な投資対象
- 下落に強く、安定志向の方に向く商品
ただし
- 配当利回りは低く「VYM」に劣後
- 株価上昇は「VTI」に僅かに劣後
といった点に留意が必要。
順番にみていきましょう!
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VIGとは10年以上連続増配を続ける米国株に分散投資する商品
VIGとは米国に上場する企業のうち、10年以上連続で増配を続ける企業約250銘柄に分散投資する商品。
- 運用コストが安価で
- 高い増配率と
- 株価の高成長が
期待できる優良ファンドです。
また連続増配企業で構成されているだけあって、売られにくく、S&P500や全米株式より株価が下がりにくい特徴も持ち合わせます。
組入れ上位銘柄
運用会社である「vanguard」のデータを引用すると組入れ銘柄上位は次のとおり。(2024.2.21時点)
ティッカー | 銘柄 | 組入れ比率 | 連続増配年数 | |
1 | MSFT | マイクロソフト | 5.53% | 17年 |
2 | AAPL | Apple | 4.19% | 10年 |
3 | JPM | JPモルガン・チェース | 3.28% | 13年 |
4 | AVGO | ブロード・コム | 3.27% | 13年 |
5 | UNH | ユナイテッドヘルス | 3.08% | 15年 |
6 | V | ビザ | 2.72% | 15年 |
7 | XOM | エクソンモービル | 2.68% | 41年 |
8 | JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 2.49% | 60年 |
9 | MA | マスターカード | 2.44% | 12年 |
10 | PG | プロクター&ギャンブル | 2.42% | 66年 |
11 | HD | ホームデポ | 2.31% | 13年 |
12 | COST | コストコ・ホールセール | 2.00% | 20年 |
13 | MRK | メルク | 1.99% | 13年 |
14 | WMT | ウォルマート | 1.54% | 50年 |
15 | PEP | ペプシコ | 1.51% | 51年 |
16 | KO | コカ・コーラ | 1.51% | 60年 |
17 | ACN | アクセンチュア | 1.49% | 14年 |
18 | MCD | マクドナルド | 1.38% | 48年 |
19 | CSCO | シスコシステムズ | 1.32% | 13年 |
20 | LIN | リンデ | 1.28% | 30年 |
名だたる企業がズラリと並びます。
特徴①経費率(運用手数料)が安い
VIGの経費率は0.06%。
これは100万円分運用しても年間約600円の手数料しかかからないということです。
ウォール街のランダムウォーカーの著者「バートン・マルキール」や敗者のゲームの著者「チャールズ・エリス」らが唱える「低コストな商品で運用するべき」という投資の原則をしっかりおさえた商品になります。
特徴②高い増配率と株価の成長が期待できる
VIGの株価と配当の推移は次のとおり
年末株価 | 年間分配金 | |
2023 | $170.4 | $3.208 |
2022 | $152.64 | $2.973 |
2021 | $171.75 | $2.660 |
2020 | $141.17 | $2.297 |
2019 | $124.55 | $2.134 |
2018 | $97.95 | $2.038 |
2017 | $102.03 | $1.919 |
2016 | $85.18 | $1.826 |
2015 | $77.76 | $1.819 |
2014 | $81.16 | $1.585 |
2013 | $75.24 | $1.388 |
2012 | $59.57 | $1.410 |
成長率 | 年平均利回り 9.9% | 増配率 7.8% |
配当も株価も右肩上がりに推移しており、バランスの良さが光ります。
また株価の成長率が高いこともVIGの特徴です。(※理由は後述します)
特徴③市場平均より下落に強い傾向
また増配株のうち、高配当利回りの上位銘柄25%の企業を除外しているため、業績の振るわない銘柄に投資するリスクは著しく下がります。
- 高配当株を除いている理由
- 高配当利回りになっているということは、裏を返せば株価の上がらない不人気銘柄とも取れます。
業績や増配ペースの鈍化などが理由として考えらることが多いため、除外されている。
もう少し理由を詳しく知りたい場合はこちら
今後も健全な運営が期待できる企業に投資しているということ。
またVIGを構成する主力銘柄は
- PG(プロクター&ギャンブル)
⇒66年連続増配 - JNJ(ジョンソン&ジョンソン)
⇒60年連続増配 - KO(コカ・コーラ)
⇒60年連続増配 - MCD(マクドナルド)
⇒48年連続増配
と数十年に渡って増配を続ける大型企業たちです。
増配するということは、持っているだけでもらえる配当が年々増加するということ。
したがって売られにくく、株価が下落しにくいファンドということです。
留意点は購入初期段階では配当利回りが低いこと
VIGの配当利回りはおおむね1%台後半から2%台前半(過去平均は2.18%)で推移。
お世辞にも高配当とは言えません…
上記で挙げた銘柄は増配が見込める優良銘柄ばかりなので、
- 投資家から買われ株価が上昇
- 結果、低配当利回りに
といった状況が続きます。
この低配当利回りが投資家の間で判断が分かれるポイントです。
市場平均の「VTI」や高配当株の「VYM」との比較
ティッカー | VTI | VYM | VIG |
---|---|---|---|
ファンド名 | バンガードトータル ストックマーケットETF | バンガード 米国高配当株式ETF | バンガード 米国増配株式ETF |
運用会社 | バンガード | バンガード | バンガード |
設定日(作られた日) | 2001年5月24日 | 2006年11月16日 | 2006年4月21日 |
経費率(年間運用手数料) | 0.03% | 0.06% | 0.06% |
過去平均の配当利回り | 2.0%程度 | 3.1%程度 | 2.1%程度 |
過去10年平均増配率 | 7.4% | 7.4% | 7.8% |
過去10年株価成長率 (年平均) | 10.1% | 8.3% | 9.9% |
分配月(年間回数) | 3.6.9.12月(年4回) | 3.6.9.12月(年4回) | 3.6.9.12月(年4回) |
組入れ銘柄数 | 3,500銘柄以上 | 400銘柄以上 | 200銘柄以上 |
瞬間最大下落率 | 50.84% | 51.79% | 41.11% |
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経費率が安価で株価成長に優れる「VTI」
VTIは全米に上場するほぼすべての企業(約3,500銘柄)を対象とし、「楽天VTI」や「SBI.V全米株式」などの投資信託として購入されている方も多いポピュラーな商品。
上記3ファンドの中では最も低コスト(経費率0.03%)で運用でき、最も株価成長してきた実績を持ちます。
ただし配当利回りは2%程度(過去平均)と3ファンドの中で最も低く、配当を重視した投資商品ではありません。
また最悪の年に購入した場合-36.98%になるなど値動きが激しいのも特徴。
とはいえ、よくS&P500と比較対象に挙がるほどの人気のファンドで、この商品を否定される投資家はまずいないでしょう。
S&P500と違って小型株にも投資しているため成長の取りこぼしの少ない商品です。
高配当で一定の増配も見込める「VYM」
VYMは米国企業の中でも、平均以上の配当を出してくれる企業400銘柄以上に投資するファンド。
高配当株を集めている商品だけあって、3ファンドの中で最も高い配当利回りです。(過去平均は3.1%程度)
ただし株価の成長はVTIやVIGに大きく水を空けられ、増配率も3ファンドで最も低いのがネックポイント。
ただしこれらはあくまでも成長性のある商品と比べての話。
高配当株の割に、高い成長性と増配力を期待できる優良ファンドであり、経費率も0.06%と低コストで運用できる人気商品であることに違いはありません。
高配当マニアにはたまらない商品でしょう。
下落に強く高い増配率が期待できる「VIG」
VIGは上述したとおり、10年以上連続増配している企業から構成され、配当利回りの高い危険な銘柄を除外していることから安定した値動きをするのが特徴。
上昇局面ではVTIに劣後しましたが、下落局面に強く、最悪の年にVIGを購入したとしても-26.69%ともっとも損失は少なかった過去実績を持ちます。
また瞬間最大風速の下落率をあらわす「ドローダウン」という指標でも-41.11%と他の2ファンドと比べて低水準なのがわかります。
リーマンショックやコロナショック時にもっとも耐久性が高かったのが「VIG」
またそれでいて市場平均でもあるVTIとトータルリターンは遜色ありません。
ただし組入れ銘柄にハイテク株があまり含まれていないことから
- 上昇局面ではVTIに劣後する可能性が高い
また高配当銘柄を除外しているため
- VYMに比べると低配当利回り
といったことには留意が必要になります。
組み入れ 比率順位 | VTI | VYM | VIG |
---|---|---|---|
1 | アップル (APPL) | ブロードコム (AVGO) | マイクロソフト (MSFT) |
2 | マイクロソフト (MSFT) | JPモルガン・チェース (JPM) | アップル (APPL) |
3 | アマゾン (AMZ) | エクソンモービル (XOM) | JPモルガン・チェース (JPM) |
4 | アルファベットA (GOOGL) | ジョンソン&ジョンソン (JNJ) | ブロードコム (AVGO) |
5 | エヌビディア (NVDA) | プロクター&ギャンブル (PG) | ユナイテッドヘルス (UNH) |
6 | メタ (META) | ホーム・デポ (HD) | ビザ (V) |
7 | アルファベットC (GOOG) | メルク (MRK) | エクソンモービル (XOM) |
8 | テスラ (TSLA) | アッヴィ (ABBV) | ジョンソン&ジョンソン (JNJ) |
9 | バークシャー・ハサウェイ (BRK.B) | シェブロン (CVX) | マスターカード (MA) |
10 | イーライリリー (LLY) | ウォルマート (WMT) | プロクター&ギャンブル (PG) |
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まとめ VIGはこんな人に向いている
VIGが向いている人の特徴は以下のとおり↓↓
- 値動きを小さく安定的に運用したい
- 今は配当がそんなに必要ない
- でも将来高配当をもらいたい
- 銘柄を1つずつ買うのは面倒
こんな方であれば「VIG」は有力な投資候補になります。
- 何も考えずに定期積立するもよし
- サテライト(部分的に)購入するもよし
と使い勝手も抜群で、これ1本に投資しているだけでも立派な投資になるでしょう。
経費率0.06%と低コストで約250銘柄の安定企業に分散投資できることから、配当利回りが低い点にさえ留意していれば文句なしの優良ファンドです。
この記事がみなさんの投資の参考になりましたら幸いです。
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